男が履けるかわいい雨靴-05(製甲/縫製-01)

靴の上側と言ったら良いのでしょうか、足の甲を包む部分をアッパーと呼びます。
そのアッパーを作る作業を、「製甲」と言います。
木型があり、型紙が出来ると、次に行うのはこの製甲と言う工程です。
衣類を作った経験のある方は、ミシンをかける以外の革の処理工程の多さに驚くことが多いようです。ちなみに、私が最も苦手とするのはこの製甲のミシンがけです。

さて、この雨靴の製甲ですが、せっかくの防水革にもかかわらず、縫いをかけるためにはミシンで穴を開けることになります。
ゴアテックスでは、ミシンをかけたところには裏からそのミシン目を隠すように専用のシールを貼っています。ゴアテックス シール加工


今回の我々の靴はどうするべきか。
この革を使用した場合に、ミシンの穴の影響がどの程度あるのか実際の影響は革の状態だけではわからないので、サンプルは縫い目に対して何もせずに仕上げることにしました。
革は叩くと潰れます。すると、穴と糸の隙間が小さくなって、水が入ってき難くなるかもしれません。
サンプルが出来上がってから、実際履いてみて、そこにどの程度の影響があり、どう処置をするべきなのかを検討することにします。
では、製甲の工程を簡単に写真で見てみましょう。

革からパーツを切り出します。
革からパーツを切り出します。


一般的な布地と異なり、革には厚みがあります。革とかわが重なる部分に下の革の段差が出ないように漉きという処理を行います。
一般的な布地と異なり、革には厚みがあります。革とかわが重なる部分に下の革の段差が出ないように漉きという処理を行います。


革自体も、ステッチダウンと言う製法も、印象は柔らかなので、断面の処理は全体に折り込みという方法を用います。
革自体も、ステッチダウンと言う製法も、印象は柔らかなので、断面の処理は全体に折り込みという方法を用います。


ミシンで縫って組み立てていきます。
ミシンで縫って組み立てていきます。


縫った余りを切っています。
縫った余りを切っています。


仕上げのステッチをかけて完成。
仕上げのステッチをかけて完成。

ざっくりしすぎでしょうか?
まだ最初の企画ですから、じょじょに掘り下げてまいります。


R.F Academyカリキュラム案内

製甲について

年間を通じて出される課題によって、常に製甲をし続けて戴きます。 1年目で製作し続けることで、初めて使うミシンや、革ならではの処理を、身体に染み込ませるように体得します。 製甲は、ミシンで縫う縫製作業が主になりますが、布地の縫製とは色々と異なる点があります。 革には厚みがあるため、その厚みが表に出ないように断端を薄く漉くと言う作業があります。また、縫うのはほとんど全て曲線ですので、ミシンも平台ではなく、腕ミシンやポストミシンという型のミシンを使います。 通常のカリキュラムでは、1度製甲をすると、その靴が完成するまでは次の製甲を行わず、その間1か月から2か月空いてしまうこともあり得ます。 様々なことをどんどん吸収し、手がその仕事に慣れることでさらに上達するこの初心者の時期に、間隔を開けずに常に素材に触れながら作業をし続けることが大事であると考え、通常のカリキュラムとは別の課題として、中底の加工同様年間通して行っていただきます。 通常カリキュラムで作るアッパーは年間5足から6足ですが、この課題によって作るアッパーは20足に及びます。
靴学校921
このブログが靴と足のプロフェッショナルを育成する学校
921(クツビト)が情報を提供しています。