ハンドソーンウェルテッド‐03

つり込み

つり込みは、一部の靴を除いてたいていの靴で行われる工程です。
呼び名は同じでも、この工程は作る靴によって、様々あります。
最も衝撃的だったのは中国の工場で見た方法でした。その地域独特のやり方だと説明を受けました。他の地域では違うやり方だそうです。つまり、まだまだ知らないつり込みの方法がきっとあるのでしょう。

ここでは、作業工程を紹介している本などと基本的には変わらない「手づり」の方法をご紹介します。
つり込みとは、木型から取った型紙を元に縫製した「アッパー」を、木型にピタリと沿わせる作業です。
木型はどこをとっても曲線で構成されています。
木型から型紙を採り、縫製をすることである程度の立体感を作り出しますが、これだけで木型の曲線全てを表現することは出来ません。
革を引っ張り、叩き、釘で固定する作業を繰り返しながら、木型にバランスよくアッパーを乗せて、木型の曲線を革に表現させていきます。
木型に沿わせた状態で一定時間置くことで、革がその状態で落ち着いてくれます。
また、前回作成した月型芯や先芯、その他必要な部分に補強のために芯を入れます。これらは木型の形を保持するうえでとても重要です。

大まかな流れは、踵の芯入れ、仮づり、踵まとめ、つま先芯入れ、つま先まとめです。
全体を通じて、ハンマーや、つり込みで使用するワニという道具で全体を叩きながら進めます。私が最初に靴作りを教わった方は、靴は叩いて作ると教えていました。
このような全行程を手で行う靴作りでは、常に作り手の膝の上でポンポンと叩かれていることでより革が落ち着いてくることも出来上がった靴に雰囲気が宿ることの一つと言えるでしょう。


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