ハンドソーンウェルト-06

スクイ縫いの糸作り1(チャン引き)

スクイ縫いには麻糸を使用します。
他にナイロンの糸もあります。グットイヤーのリブにナイロンの糸で縫うというやり方でスクイ縫いを手で縫う靴もあるそうですが、同じ手縫いとはいえ、そうなるともう別の靴ですね。

麻糸には前に作成したチャンを塗ります。

用途に合わせて糸の太さを変えます。
糸の太さは、細い糸が何本縒られているかによって変えることが出来ます。
麻の糸は1本では細いため、縫う目的に合わせて数本を撚り合わせて太くします。
縒ったもので販売されているのは、4本、5本、6本、9本だったと思います。

今回はスクイ縫いを行うための糸作りです。
靴を履く人の体形によって太さを変えているので、ルッチュではスクイ縫いを単糸で行っています。
今日は単糸を9本縒り合わせます。
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単糸を縒る時の縒りの方向は、糸の断面を見たときに時計回りです。
私がはじめに習った際は、糸の右側に立って、右手を上にし、右手を引くと習いました。
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縒ったら、縒りが戻ってしまわないようにチャンをぬります。
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チャンをぬったら、布で熱を加えながらチャンを定着させるとともに余分なチャンをふき取ります。
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蝋をぬってチャン引きが終了です。
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チャンは、糸同士が絡んで離れにくくなるようにするためにぬりますが、チャンは時間が経つと俗に「かぜをひく」という状態になってしまい、粘りが無くなり、パリパリと割れやすいような状態になります。
ですから、チャンを引いたらすぐに縫わなければいけません。
また、チャンは糸の強度自体を上げるわけではありません。ですから、糸を縒る前にチャンを塗り、その糸を縒り合わせても強くはならず、むしろ時間と共にチャンは劣化するので、糸に良い影響はありません。強度を上げる場合には縒る糸の本数を増やします。
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