ハンドソーンウェルト-07

スクイ縫いの糸作り2(糸先作り)

スクイ縫いを行うために、糸先に針をつけなくてはいけません。
この針の付け方が、スクイ縫いの効率に影響しますので、とても大切です。
日本の職人の多くはこの糸先の針に金針を使用するのではないでしょうか。
どこのメーカーだったか忘れてしまいましたが、10年以上前に日本で実演を行っていたヨーロッパのメーカーの職人は水鳥の毛だと言う毛針を使っていました。毛先の方(毛根とは反対で、毛根が針先になる)をいくつかに裂き、そこに麻糸を絡めて糸先を作っていて、とてもきれいでした。何度かやって見せてくれましたが、覚えられませんでした。また、ナイロンの針を使用する方もいらっしゃいます。
さて、ここでは金針を付ける糸先の作り方と、金針の取り付けをご紹介します。

単糸とはいえ、麻糸は麻の繊維が縒られてできています。前回、数本を縒り合わせるときは断面を見て時計回りになるように縒りましたが、単糸はこれとは逆で、断面を見ると反時計回りに縒られています。


img_9181 9本集まっている束から1本1本を取り出し、右の太腿の上を、股関節から膝に向かって右手のひらで糸を転がしていく(断面で時計回りに転がす)と、単糸がほぐれてきます。


img_9180 ほぐれてきたら、糸の付け根を押さえている左手を左に引き、糸を縦方向に伸ばすようにすると、自然と左右に穂先が出来るようにほぐれます。



img_9179 この作業を縒り合わせた糸の本数分行い、全てを穂先のようにします。



img_9178 この穂先を2つに分けます。9本縒りの今回は5本と4本です。

2つの束それぞれをしっかりと湿らせます。

左手で2つの束の付け根をしっかりと持ち、これらを大きく上下に開き、右太腿の膝近くに置きます。


img_9177 それら2つの束を、右の手のひらで押さえ、それぞれ1束ずつを手前に縒ります。


img_9176 1束1束それぞれが、糸先までしっかりと縒ることが出来たところで2つの先端を重ね合わせます。


img_9175 2つの束それぞれが膝の方に向かって縒りを戻そうとする力が働き、2つが1つにきっちりと縒り合わさります。


img_9174 文章と写真での説明ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、出来上がるとこうなります。


img_9173 縒り合わせた糸先にチャンを塗ります。

img_9172 針の穴に通せるくらいの太さの所に、針を刺します。


img_9171 刺された糸の糸先を針穴に通すと輪っかが出来ます。輪っかが小さくなるように糸先を引っ張ります。チャンがついていて引っ張りにくい場合は、手助けしてあげます。

針の端まで来たら、糸の太い方を引っ張って輪っかが完全になくなったら針の取り付け完了です。針の端に団子が出来ていたら、爪などで引っ掛かりを取るとすっきりします。


img_9170 手でチャンをならし、蝋を塗ったら完成です。
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