しょっちゅう軽い捻挫をする人の足

信号待ちで立っていると、つい足首を横に曲げてしまいたくなる人は、足が本来するべき機能を十分に果たしていません。
こうした足首の曲げ癖のある人は、椅子に座っていても、ついつい足首を横に曲げたくなるはずです。
このクセがある人は、ちょっとした段差や、進行方向に対して横に斜めになっている道などによって簡単に足をくじいてしまいます。余りに日常のことなので、それについてあまり問題視したことは無いのではないでしょうか。

足を横に曲げたくなるクセが身体に与える影響

歩くときに頭が左右に揺れやすくなる
靴を強く変形させて、型崩れさせる
足の裏に胼胝が出来る
土踏まずが弱くなる

身体への影響が起こる理由と、それによってもたらされること

歩いた時に頭が左右に揺さぶられる理由

足を横に曲げるクセを持つ足は、踵のかなり外から設置し、そのまま小指や、中指、2趾から重心が抜けます。それから逆の足の踵の通常よりも外側へと重心を移します。
つまり、足の外側から反対の足の外側へと重心が移動することになります。
その時、足の外側から抜ける重心を、自然と反対の足の外側へと移動させることは困難ですので、上体を反対側に曲げることで重心の移動を助けるようになります。それによって、身体が左右に揺れやすくなるのです。

 重心が左右に大きく動くとき、足から最も離れた頭は、歩行中に左右に大きく揺らされることになります。これが、足を横に曲げるクセを持つ人が頭を左右に揺らしながら歩くことになる理由です。

頭を揺らすことは脳を揺さぶるストレス

座ったままで頭を左右に10回でも揺すったら、頭がくらくらします。頭を揺らしながら歩くぐらいたいしたことはないでしょうか。そんなはずはありません。

頭を揺らさないことは別の場所のトラブルの原因に

頭を揺らさない人は別の場所に不要なストレスが生じている
この足のクセを持つ全ての人が頭を揺らすようにならないのは、そうした揺れが起こらないように、手を前後ではなく左右に振ったり、歩幅を小さくしたり、膝を曲げたりなど、一人ひとりの身体が自分なりの方法でその揺れを解消しているからです。
しかし、その揺れの解消もまた、関節に不必要な捻じれを生じさせ、様々なトラブルの原因と成り得るのです。

靴を強く変形させて、型崩れさせる理由

この足のクセは、加速度的に靴を変形させ、型崩れをさせてしまいます。
パンプスのような華奢な靴に限らずグッドイヤーのよう強固な製法で、厚みのあるアッパーを使用していたとしても、この型崩れは起こってしまいます。

靴底は減るだけでなく潰れてしまう

体重は足の外側に強くかかり、重心も外から反対側の外へと移動することからも想像がつくと思いますが、靴の外側が減りやすくなります。また、減るだけでなく、ウレタンやEVAなどのスポンジのソールでは、外側がつぶれていることも良く見かけます。ですから、踵ゴムが一見して減っている量よりも、靴は傾いている可能性が大いにあるのです。
では、それによって加速度的に靴が型崩れしてしまうのはなぜでしょうか。

外側が減り始めると外側だけが減る

靴のかかとが平らな新品の状態であっても、外側に体重がかかっている足ですから、外側が削れることで靴は常に斜めになり、足はそれでも外に荷重し、足は靴の中で外側によりかかるようになります。靴の踵や底の外側が減り始めると、もう靴の内側は減りません。外側にばかり荷重はかかり続けます。

底を修理しても型崩れは元に戻らない

すると、踵には芯が入っていますから比較的型崩れはしにくいものの、柔らかい小指の所がボコッと膨らみ、逆に親指側には革が余っているといった状態になってしまいます。こうして起こった型崩れは、元には戻りません。たとえ型崩れが起こってしまった後でいくら踵や靴底を修理しても、型崩れをしてしまったアッパーは元には戻りません。

靴の型崩れが身体にもたらすこと

靴底の外側が減った状態は、足首を横に曲げたくなるクセの足にとって居心地の良い環境ですから、外へ外へとますます荷重は移動します。
すると、足は靴に寄り掛かるようになり、小趾を靴に押し付けるようにして立つことになります。靴に押し付けられた状態で体重が乗っているわけですから、小趾は動くことが出来なくなります。動けない状態はつまり、使われていないと言うことであり、使われない状態が続くと機能は弱くなり、次第に動かなくなり、ついには機能を失います。
靴が型崩れをしてしまうと、足はクセのある状態から抜け出すことが出来なくなってしまいます。足の小趾は機能を失ってしまい、よく言う浮き趾となるのです。

足裏の趾の付け根に胼胝が出来る理由

歩くとき、踵の少し外側から親指の付け根の下を重心が抜けることが理想だと言われることがあります。それが正しいかどうかはここでは考えないようにしますが、先ほども言った通り、横に曲げるクセをもつ足は、足の裏全体を使っていません。踵のかなり外側から設置した足は、重心は足の外から外、頑張っても人差し指に抜けていきます。抜けるところに胼胝が出来ます。
蹴り足は前に進むためだけではなく、重心の左右の移動にも働く
抜けた荷重は上体の力を借りるなどして反対の踵の外側へと移動するわけですが、その際、足は、地面をただ真っ直ぐに蹴ることは出来ず、やはり反対への重心の移動を助けるために地面を斜めに蹴ります。つまり、蹴り足は前に進むためだけではなく、重心の左右の移動にも働きます。その捻じるような力は、地面を蹴っている足の趾の、付け根の裏に、小さな胼胝を作ります。真っ直ぐではない蹴り足が胼胝の原因です。

足裏の胼胝がもたらすものは痛みではなく不安

足のクセによって身に付いた歩き方が作るこの胼胝がある方は、意外な理由で相談にいらっしゃいます。その理由は、不安です。

不安になる理由

幸いなことに、この足のクセによってできたこの胼胝は痛くないことがほとんどです。
同じ場所に胼胝が出来ていて、もしも痛みがある場合には、原因はこの足のクセによるものではなく、他の原因による胼胝であることがほとんどです。
この胼胝は、削っても無くなりません。痛くないけれども、取っても取っても、削っても削っても無くならない。この無くならない胼胝がもたらすことは、いくら削っても胼胝が無くならないことへの不安です。
を心配し、相談に来る方が多くいらっしゃいます。理由が分からないから不安になるというわけです。

不安を取り除くには

この胼胝の出来る理由は、足のクセからくる歩き方によるものです。歩行をスムーズに行うために足のクセを補おうと身体が働いた結果生じているものです。歩くという行為は無意識に行われているものですので、歩き方を本人の意志の力で治すことはほとんど無理といってよいでしょう。
大きさもいつも一定で、ひどく厚くなることもなく、痛みもない胼胝ですが、これをなくすためには、時間をかけて身体からクセを取り除かなくてはいけません。足のクセによって身に付いた歩き方のクセは全身にしみついています。胼胝をなくすには全身のクセと向きあう必要があります。詳しくは最後にまとめています。

土踏まずが弱くなる 理由と問題

足首を横に曲げたくなる足のクセは、土踏まずを弱くします。土踏まずは気が付かないうちに弱っていて、痛みとして現れます。

土踏まずはが弱ってしまう理由

繰り返しになりますが、この足首を横に曲げたくなるクセは、足の外側ばかりを使っています。立っている時も、歩いている時もです。つまり、足の内側をあまり使っていないのです。使わないと身体は弱くなりますから、足の内側にあるアーチと呼ばれる土踏まずは弱くなってしまいます。弱くなっているといっても、普段それを自覚することはありません。日常的に行う移動程度では、ほとんど足の内側を使うことが無いからです。たまに、いつも以上にたくさん歩いた時に限り、たまに足の裏がぴんと痛くなったり、登山靴やスキーブーツなど、足首を固定されるような靴を履くと足の裏がぴんと痛くなります。

土踏まずを使うとすぐに痛みがでる

たくさん歩いた時に痛みが出るのは、足の外側から外側へと重心を移動させているとはいえ、少しは親指に抜ける荷重もあるはずですから、その回数が多くなると、痛みが出てしまうという具合です。
登山靴やスキーブーツをはくと痛みが出やすい理由は、足首の上までをしっかりと固定されるため、外側へと足が倒れたくても動ける範囲に制限れてしまい、嫌でも母趾にかかる荷重が増えるためです。負荷から逃げることも出来ず、いつもは働くことの無い足の内側が強制的に働かされることになり、いつもよりも早く痛みが出てきてしまうことになります。

足首を固定する靴ではインソールが有効

足首までをきっちりとカバーした登山靴を履かなくてはいけない場合はインソールを作るなどして弱い土踏まずをサポートしてあげる必要があります。
そこまでの靴を履かなくても良い場合には、せめて足首が自由になっている靴を選ぶようにすれば、土踏まずに痛みの出現は、それまでよりも減ってくることでしょう。

なぜ足首を横に曲げたくなるクセがつくのか

年齢性別にかかわらずこのクセはかなり多くの人の身に付いています。そして、自分が信号待ちなどで足首を内側に曲げたりするクセがあることを自覚しています。単純なクセのようですが、様々な要素が重なって身に付いています。

日本人は生まれながらになりやすい?

そもそも、このクセが身に付いてしまうのにはいくつか理由があります。私たちが日本人であることも無関係ではありません。
日本人は脛(スネ)がカーブしていて、O脚になりやすく、足をそろえて立とうとしても、膝がつかない人が多くいます。そうすると、仮に膝を地面に垂直に立てたとすると、脛の下1/3は、地面に対して斜めになってしまいます。つまり、そもそも足の外側で立つことが足首にとって自然であると言えるのです。
足首は、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会が制定する関節可動域によると、内側に曲げる内反が30°、外側に曲げる外反が20°です。外側には構造上曲がりにくくなっています。脛の下1/3が地面に対して斜めになっている足では、平らな地面に立とうとすると、足首を外側に曲げること、外反が必要になります。20°しかない可動域のいくらかを、立つためだけに消費してしまうのです。
車の運転をする人は、高速道路であまりハンドルを動かさないでいると、肘や手首を動かしたくなった経験があると思います。関節は、動くことでそれ自体の存在を認識しているため、同じ方向にばかり向けられていることが1つ目のストレスなのです。
足首を外反させる筋肉である腓骨筋群が、膝から下(下腿)の外側についています。まだ足首を横に曲げるクセの無い足では、これらの筋は足裏全面を設置させるために足首を外反させようと働きます。立っている間、歩いている間、足裏を設置させようと常に働いていなくてはいけません。2つ目のストレスは、この腓骨筋群にかかるストレスです。もしも脛にカーブが無く、足首が地面に垂直についていれば、立つときも歩くときも、最低限の働きだけで良いはずです。
脛のカーブがこのクセの直接の原因だとしたら、足首を横に曲げるクセがついていなくても、足首は外反位から解放されたくなり信号待ちで足を内側に曲げたりしそうなのですが、実際には、クセがない足ではそうした仕草はほとんど見られません。

直接的な原因は捻挫による固有感覚の損傷 捻挫の原因1,2

ここまでいろいろ言ってきて、多分は無いだろうと言われそうですが、多分内反捻挫です。内反捻挫は足首を過度に内側に曲げてしまったことによって起こります。捻挫によって足首の感覚がくるってしまうと、捻挫を繰り返しやすくなってしまいます。
関節には、その関節の状態を把握する感覚として固有感覚というものが存在します。この固有感覚は、関節を包むカプセルにも存在しています。捻挫は、この関節のカプセルを損傷します。それによって、固有感覚もまた損なわれます。つまり、捻挫によって足首は正確に状態を把握できなくなってしまいます。

捻挫の原因その1 腓骨筋群の疲労

初めての捻挫は、ひょっとすると石を踏んでしまったなどの不可抗力もあるかもしれませんが、そういうきっかけの捻挫でも、その陰には足の内側を地面に付ける力、つまり、足を外反させる筋肉が疲労によって十分に機能できなくなったために起こることが多いです。日本人の脛のカーブは腓骨筋群の働きを増やしますから、疲労させやすく、よって内反捻挫を起こしやすいのでしょう。
捻挫は、痛みが引いてもまだすぐに固有感覚は回復していません。痛みが引いて、動けるようになると、つい日常に戻ってしまいます。そのとき、足首のカーブによって接地が斜めになってしまう日本人は、再び捻挫をしてしまいやすいのです。

捻挫の原因その2 靴の外減り、型崩れ

靴の踵が減り始め、内側の設置が起こらないと、ますます外が減り、足首が内反した状態で立っている人も街中で足元を見ると少なくありません。そんな状態の靴を履いていたら、簡単に捻挫をしてしまいます。
外が減った、型崩れを起こしている靴をずっと履いていると、身体にとってはその状態が自然になってしまいますから、直接捻挫のような起点がなくても、ゆっくりと身体に足首を内側に曲げたくなるクセがしみついていくことになります。

クセを自覚している人がやるべき大切なこと

このクセは、こうして申し上げてもまだ、なんとなく足裏に胼胝が出来てしまい、捻挫もしやすくなってしまうだけのことと思われてしまうかもしれませんが、一人ひとりに異なった、様々な問題を身体に生じさせる原因になります。それは、インソールによってこのクセを改善したことによって、足のトラブルとは関係が無いと思っていた身体の他のトラブルまで改善したことからも、このクセが足以外にトラブルを引き起こす原因と成り得ると言えます。決して甘く見てはいけません。

自分自身で心掛けられること、かなり早めの靴の修理

専門的な相談をする前に、先ず自分で何かできないか、そう思える方は素晴らしいです。そう思える方は、靴が外に倒れないように靴をこまめに修理してください。
外側が、新品の時よりも5ミリ減ったら修理をして治しましょう。本当は3ミリといいたいところです。お金はかかりますが、ついてしまったクセを取るのは容易ではありません。この足のクセを自覚している人は、こまめに靴の踵を修理し、靴をなるべく平らに保つことが必要です。踵だけでなく、なるべくなら前の方も修理してください。
これからは靴を平らに保つようにしようと思った方は、今持っている靴の中で、外が減っている靴を1足だけ修理しないで持っていてください。3ミリ又は5ミリ減ったら修理することを継続して、3か月後にその靴を履いてみて下さい。3か月前、自分がどれだけ斜めに立っていたかを実感できることでしょう。

専門的なサポートを受ける しみついたクセを取ることは難しい

このクセは、歩き方に影響することから、全身にクセを生じさせます。すべてをリセットするには、靴を平らに保つだけでは十分な対処にはなりません。こうした考え方の上に立ち、一人一人にしみついたクセを理解して作られたオーダーインソールの使用や、治療を同時に行うことが必要です。それでも、これまでの人生の年数掛かって身に付いたクセをリセットするにはある程度の長い時間が必要です。
靴学校921
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