靴学校が教える繊維筋痛症と足の痛み

繊維筋痛症と足の痛み

全身に痛みの出る繊維筋痛症ですが、当然足にも痛みが表れます。
痛みで足をつくことが出来ないとなってしまうと、仕事はおろか日常生活全般がとても不自由になります。では、足についてはどのような痛みが出るのか、どう対処したら良いのか。ここでは、繊維筋痛症と診断され、病院にて継続治療をしている方、一人について取り組んだ内容をまとめたものです。全ての繊維筋痛症に当てはまる方法ではないと思いますが、参考になればと思い、記事に致します。

足をつくと電気が走るように足から頭へ激痛が走る。初めはそんな状態でした。
痛みがひどい時期は仕事も休んでいました。何とか外出もできるようになり、仕事に復帰をしたものの、非常に辛い状態で通勤をしていました。

その時の靴はどうしていたかというと、持っている靴の中で1足だけ他の靴よりも楽なものがあったから、それを履いていました。

相性の良い硬さのスポンジを探す

靴を履いていてもいなくても、床に足をつくだけでも痛みが出ていました。しかし、硬い床ではなく、柔らかいところの上だと、和らぐ場合もあるようでした。そこで、まずは床に敷いた柔らかいスポンジの上に立ってみてもらいました。

初めは、3ミリ厚のスポンジで、3種類の固さを用意し、それぞれのスポンジの上に靴下を履いただけの状態で立ってもらいました。すると、1番柔らかいものの上に立つことが最も楽でした。
そこで、1番柔らかいスポンジの3ミリと、4ミリ、6ミリと、中間の固さのスポンジの6ミリと10ミリそれぞれの上に立ってもらうと、やはり、1番柔らかいスポンジの3ミリ厚が最も楽でした。クッション性の高いものほど楽なのだとしたら、4ミリや6ミリの方が、痛みが楽になりそうなのですが、この方の場合は、スポンジに足が沈み、足の裏に密着する面積が増えることが却ってストレスとなり、繊維筋痛症の痛みが出てきてしまうようでした。
以上のことを試してみて、靴の中に3ミリの最も柔らかいスポンジを敷いて履くことにしました。

靴選びは第一印象が最優先

次に、靴選びを行いました。結果として一番大切なのは、足のセンサーに任せると言うことだと言うことが分かりました。どういうことかというと、靴の大きさや素材の固さでは参考にならず、サイズや素材を基準に選んでもどの靴が問題なく履ける靴なのかは全く分かりませんでした。
では何によって履ける靴を選んだかというと、履いて痛くないかは足を入れた瞬間に、本人には「痛くなる感じ」が起こるのです。まだ立っていないのに、「痛くなるような気がする」と、言うのです。普通の人だったら、勘が働いたとして頭に、「この靴は合わないかも」と浮かんだとしても、その勘働きが他の感覚と繋がることはありません。しかしまるで、その勘と痛みの感覚が繋がって、靴が合うか合わないかを知らせているのかのようでした。もしかすると、繊維筋痛症によって感覚が非常に鋭敏になっているので、そうしたことが起こったのかもしれません。もちろん、これはこの方ではそうだったというだけの話で、繊維筋痛症とイコールではありません。

繊維筋痛症の方の靴選び

今では私もその方も、そのことが理解できているので、靴を履いてみて、もしくは靴を履こうとしてみて、その感覚が無いかどうかを確認します。
靴選びについては、もうそれだけでよかったです。その感覚にのみ従えば、履ける靴が見つかると言う具合でした。
そうしたわけですので、先ずは履けそうな形の靴を選び出し(この方の場合は、ヒールが低く、つま先がゆったりしたもの)、それらに片っ端から足を入れてみます。その上で、例の感覚が起こらず、履けそうだと思ったものに、3ミリの柔らかいスポンジを敷いてみます。それで履ける靴を選ぶと言う具合です。
この3ミリのスポンジについては、始め、テストで採用された3ミリの柔らかいスポンジ以外のスポンジを靴に入れてみたのですが、やはり床の上でスポンジの上に立つテストで選んだ通りのスポンジが足に合うようでしたので、以降は試していません。
また、靴については、最初の選別の段階で、ある程度ゆったりしたものを選びはしますが、試履きの際には必ずしも幅が緩いものだけを選んでいるわけではありません。少しくらい足が当たっていても良い場合もありました。足を入れた際の感覚を用いたテストで、履いても不快な痛みが起こらずにクリアすることが出来れば、寸法が少しきついものでも、幅を広げるなどの加工をすることで、問題なく履けるようになります。逆に、柔らかい素材で、靴に足を入れてもどこも当らないくらいゆったりしていたとしても、つま先が靴に入った途端に、痛いと言いました。まだ踵まで足が入っていないのにそう感じるのです。

本人には、「痛みが起こりそうだ」という、「予感」が、普通よりもはっきりとした感覚で身体に生じます。ですから、それを最大限に尊重し、その感覚が起こらない靴を選んだあとは、スポンジを入れることを除けば普通の靴選びと変わらず、必要なところにちょっとした調整を加えるだけです。その感覚がなぜ起こるのかはわかりません。しかしながらこの場合、理由はわからないが確かに存在するその感覚を無視することなく、素直にそれと向き合うことで、靴選びがとても簡単になり、外出のストレスが断然低くなりました。

大切なのは繊維筋痛症の理解

繊維筋痛症の症状はとても辛いものです。最も大変なのは、外見上病気を示すものが何もないため、珍しい病気であることも重なって周囲の理解が得られないことです。 靴選びについても同じことが言えると思います。靴店に行って、そのことを話しても理解はされないでしょうから、靴店でじっくりと自分の足に痛みの起こりにくい靴を探すことが困難です。靴店側にこうした症状への理解が広がることが理想ですが、もしも同じような症状でお悩みの方がいらしたら、大変ですが、ゆっくりと話を聞いて同じように取り組むことのできる靴店を探すことを行うことをおすすめします。そして、もしかしたらこれと同じ手順で自分に合った靴の履き方が見つかるかもしれません。ぜひ参考にしてみて下さい。
靴学校921
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