パンプスの踵が抜けやすい人が知っておくべきこと

踵が抜けてしまう原因は何でしょう。
足の形?靴の形?歩き方?
これらはどれも正解である可能性があります。
どれが正解なのかは人それぞれです。

パンプスを履くと踵がすぐに抜けてしまう。
そんな状態に心当たりのある女性は多いはずです。
では、どういう足の人が抜けやすくて、どういう靴が抜けやすくて、どういう歩き方が抜けやすいのでしょうか。

足の形によって踵が抜けやすい

パンプスの踵が抜けてしまいやすい足の形というのがあります。

踵が小さい足

1つは皆さん容易に想像がつくかと思いますが、踵が小さい場合です。
これには、踵の大きさが足趾(そくし:足の指のこと)の付け根部分の幅に対して小さい場合と、足全体が細くて踵も細い場合とに分かれます。
靴の踵の幅は、指の付け根部分の幅が大きくなるとそれに伴って大きくなります。
そのため、足趾の付け根に対して踵が比較的に小さいと、足趾の付け根がきつくない靴を選ぶと、靴の踵が足の踵に対して大きくなり、脱げやすくなってしまいます。
足全体が細い人については、現在の既製靴において、細身の靴を探すこともとても難しいため、どうしても自身の足よりも太い靴を履かざるを得ない場合が多くなります。
それにより、踵が抜けやすい靴を履くことになってしまいます。



足の踵のカーブと靴の踵のカーブが合わない

靴を横から見ると、踵部分は必ずカーブしています。
もしもこのカーブの丸みと、足の踵の丸みがピッタリと一致していたら、踵が抜けにくいだろうと思いますね。

実際にはなかなかそうはいきませんが、ピッタリとはいかないまでも、踵の丸みが適当にあれば、そこが引っ掛かりとなって歩いても踵が抜けないようになっています。
ところが、この踵のカーブの形状によっても、踵の抜けてしまいやすい足があります。
それは、踵の後ろへの出っ張りがなく、カーブが無い足と、それとは逆に、後ろへの出っ張りが強すぎる足です。
カーブが無い足は、靴と踵との接点が、踵の履き口の所1点しかありません。
そのために脱げてしまいやすいです。

しかしこのタイプでは、脱げずに履ける場合もあります。それは、この履き口が足の踵に強く食い込むように当たっている場合で、脱げない代わりに靴擦れの原因となってしまいます。
逆に、踵の出っ張りが強い足では、足の踵が靴の踵のカーブの一番深いところに当たっていても、履き口の部分では隙間が出来てしまいます。

このタイプの足の人は、適切なサイズであっても踵に隙間が出来てしまうため、そのサイズよりも小さな靴を履いていることを多く見ます。
つまり、踵が抜けないようにするために、指先も目いっぱい詰まった状態にして履いているというわけです。
足指はギュッと締め付けられた状態で履いているため、とても辛そうに見えます。


靴の形によって踵が抜けやすい

靴の形によっても、踵が抜けやすくなってしまいます。

勿論足との相性もありますので、これから言うような靴の踵が一概に悪いと言うわけではありません。
ですから、足との相性も合わせて紹介します。

2-1:底の固い靴

底が硬いと、足の動きに合わせて靴が曲がってくれないため、足だけが曲がって踵が抜けてしまいます。
ヒールの高い靴いほど、影響を受けにくく、ヒールが低いほどその影響を受けます。
ヒールの高い靴では、その形を保つためにそこには強度が必要ですし、ヒールが高いということは、既に足の指が曲がった状態ですから、底が硬くて曲がりにくいことの影響は小さくなります。特に、下図のような靴では、底の曲がりは全くありませんが、歩くことが出来ます。



逆に、ヒールが低い場合、バレエシューズのようなフラットな靴では、底が曲がらないと、普通に歩こうとすると踵が簡単に抜けてしまいます。

2-2:踵の大きい靴

想像しやすいと思いますが、踵が足に対して大きくて緩ければ抜けてしまいます。

2-3:指の付け根と踵の距離が合っていない

靴にはサイズがあります。
しかし、同じ23.0センチの靴だったとしても、各部位の設定されている寸法はそれぞれです。ですから、指の付け根が来るべき場所として設定されているところから、踵までの距離が足と合っていないと、自分がいつも履いている靴の寸法が表示されている靴であっても、踵が抜けてしまいます。


指の付け根と踵の距離が合っている場合


指の付け根と踵の距離が合っていない場合

この、踵と指の付け根の距離が靴と合っていないせいで踵が抜けやすいという状態は、例外があります。

それは、歩き始めは良いのに、長く歩くと踵に隙間が出来てしまい、踵が抜けるようになってしまうというものです。

パンプスは、足と靴の接点がとても少ない靴です。ですから、ヒールが高くなった場合、その踵の高さで体重を支え、背伸びをした状態を保っているのは、多くが自分の筋力によります。
ですから、長時間ヒールを履いていて、足の筋肉が疲れてくると、足は少しでもヒールの低い方へと移動しようとします。つまり、靴の中で、足が前にずれていくのです。
これは、足と合っていない靴というわけではありません。その高さのヒールを履いていられる時間の限界を超えてしまっているという要因の方が大きいです。
ヒールのパンプスを長く履いていても平気な人に、バレエをやっていた人が多くいます。
これは、ヒールの靴を履く以上にきつい姿勢を維持する筋力が備わっているからでしょう。
もちろん、そうした方であっても、筋力が落ち始めてから、ヒールの低い靴ばかり履いていたら、徐々に履くことがつらくなっていきます。

また、これはある程度年齢が上の方に多いのですが、足が前にずれていかないように、つま先に綿やティッシュを詰める方がいらっしゃいます。これは、筋力で支えられないものを、指先の隙間をなくすことで、負担を足の指にかけてヒールを履くというもので、足にとってはとても悪い対処法です。

2-4:踵が開いている又は芯が効いていない

靴の履き口のライン、トップラインと呼ばれたりしますが、踵のこの部分が開いてしまっている靴です。
履き口がしっかりと絞られていて、その状態をしっかりとした踵の芯がキープしてくれていることが良い状態なのですが、それが開いてしまっている状態です。
パンプスは、甲の部分が浅く、甲の部分の足の押さえは指の付け根付近の僅かです。この部分と踵だけで足と接していますから、踵の作りが甘いと、たとえ初めは良かったとしても、すぐに踵が抜けやすくなってしまします。
踵をしっかりとした強度で作ることは、技術も必要ですし、生産足数も落ちてしまうかもしれません。そうした作り手の事情でこうした靴が増えているのかもしれません。
しかしながら、踵がしっかりとしていると、足当たりが固くなるのはある程度仕方のないことなのに、それが嫌だという方が意外と多いのです。
そうした意見をくみ取って柔らかい踵の靴が増えてしまったということも、あるかもしれません。

これらは、靴の形が悪いからとは言えません。
靴の特徴によって、足との相性が悪い場合がるということです。



歩き方のために踵が抜けやすい

歩き方によって踵が抜けやすい場合もあります。
パンプスで美しく歩こうと思うと、スニーカーでウォーキングをするように歩くわけにはいきません。
先ほど少し触れましたが、ヒールを履いて歩くにはある程度の筋力が必要になります。
その筋力が無いままヒールを履くようになった場合、歩き方は慣れ親しんだスニーカーで歩くときと同じように歩こうとします。
しかし、それをすると踵が脱げてしまいます。
つまりこれが、踵が脱げてしまう歩き方の1つです。歩き方の説明はとても伝え難く、難しいので、ある1つの状態の歩き方について説明します。
歩き方は、身体の特徴からるものですから、言い替えれば踵の抜けやすい身体ということになるのかもしれません。

パンプスを履いて歩こうとしたとき、腰をひねり、骨盤を大きく動かす必要があります。しかし、スニーカーを履いて歩く場合、必ずしも骨盤を動かさなくても歩けてしまいます。

想像してみて下さい。

真っ直ぐに立っている状態から、左足を前に滑らすように出します。体重はなるべく左足に乗せて下さい。肩や骨盤は固定して、平行移動するだけです。左右どちらかが前に出ることが無いように、注意してください。その時、あなたの右足はどうなっていますか?



1. 股関節が伸びて太腿が後ろに移動し、膝は伸びたまま。足首は曲がって、アキレス腱を伸ばした状態。
2. 股関節が伸びて太腿が後ろに移動し、膝は伸びたまま。足首はそのままか伸びて、踵を浮かせた状態。
3. 股関節が伸びず、太腿は後ろに移動していない。その代わり膝が曲がって、足首は曲がり、アキレス腱を伸ばした状態。
4. 股関節が伸びず、太腿は後ろに移動していない。その代わり膝が曲がって、足首はそのままか伸びて、踵が浮いた状態。

この中では特に、4の人は踵が抜けやすい歩き方の可能性が高いです。
その他はこうです。1は最も抜けにくく、2はその次ですが歩き方に工夫が必要、3はもう少し前に(左足に)重心をかけたら4になるはずです。
もしも4の人でヒールのパンプスを踵が抜けないで歩いている人がいたら、それは、抜けないように歩いているだけであると考えられます。 4のタイプの人でも、踵が抜けないように歩くことは可能です。
そのかわり、このような歩き方になります。



背伸びをしてみて下さい。踵はそのまま、膝を軽く曲げます。そのまま、絶対に膝を伸ばさないで歩いてみて下さい。もちろん踵を下げないで下さい。
そういう歩き方をした人を見たことがあるのではないでしょうか。
または、ここに背中を軽く丸めるか、顎を前に突き出すことが加わるかもしれません。
もう一度先ほどの歩き方をしてみて下さい。早く歩こうとしても歩けません。次に、足はそのまま、背中を丸めて歩いてみて下さい。歩幅が大きくなり、早く歩けます。
この歩き方は、ヒールが6センチ以上で起こりやすくなってきます。

左足を動かすチェックで同じ4の特徴の人で、ヒールが4か5センチ以下の場合、地面を蹴る足は膝を曲げて後ろに移動させることが出来るようになります。この時に踵が抜けます。この場合の踵が抜けないようにする歩き方は、蹴り足を後ろに移動させず、膝を高く上げるようにするか、蹴り足が無く、足を前に出すことで進みます。

このように、抜けないように歩くことは出来るのですが、疲れてくると、踵が抜けないように歩くことが出来なくなり、踵が抜けてきます。 疲れてくると踵が抜けてくるという場合には、こういう原因もあります。

では、パンプスの踵が抜けないようにするにはどうしたら良いのか。
ここまで長々と書いてもまだ全ての原因ではないことでもわかるとおり、先ずは自分の身体の特徴、足の特徴、歩き方を知りましょう。そして、最も楽に履ける靴を探してみて下さい。その靴がなぜ楽なのか、自分の身体、足、歩き方と照らし合わせて考える必要があります。難しいですね。
どうしても知りたい場合はどうぞご相談ください。又は、もう少しお待ちください。R.F Academyでは、そういった判断のできる人材を育成します。今後卒業生が各地で活躍し、皆様の足元の健康のお手伝いが出来る日がきっと来ると確信しています。
靴学校921
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