YouTube靴作り講座を見てくださっている方から、こんなメッセージをいただきました。

YouTube靴作り講座を見てくださっている方から、こんなメッセージをいただきました。違う方からも似たような質問をいただきましたので、このブログで答えさせていただきます。

以下が戴いた質問です(原文まま、許可を戴いて掲載しています。)

”こんにちは。YouTube何度も見せて頂いており、靴好きの友人にも勧めています!本当、丁寧すぎる解説に感動しています。ひとつ、教えていただきたいです。ここまで有益な情報をYouTubeで無料で公開しようと思ったきっかけや理由はございますでしょうか?”

という質問でした。

この動画を始めたきっかけというより、このブログの中で2016年7月19日に始めた、「ハンドソーンウェルテッド」というシリーズ自体、趣味で靴作りを行う人の役に立てればという思いがあって始めました。趣味で靴作りを行う人を増やしたいと思ったのです。

私は父が紳士服の仕立てをしていたため、靴にも仕立てというものが存在するのだと当然のように思っていました。靴作りを学び始めたのは2001年からですが。その頃は今と違い、靴を仕立てている工房や店は、ほとんど無いと言っても良いくらい少なく、当時はその存在を知りませんでした。

ところがその翌年の、2002年に発刊された雑誌によって、手製靴の、特にハンドソーンウェルトの靴にブームが興りました。学校も増えて、作り手がたくさん増えました。今は一時のような熱気はありませんが、このブーム以前に比べると手製靴や、グッドイヤーウェルトの高級靴が認知され、定着しました。

そんな中、人気の工房は変わらず忙しいようですが、手製靴のような高級靴市場は徐々に小さくなってきている様子です。そうなると、せっかくの手製靴の技術が、また以前のように細々とつながれていくようなさびしい状況になってしまうのではないかと心配になってしまいます。

私はそもそも靴好きではないのですが、今は靴も靴作りも好きです。不器用な私が物作りで、ある一定のレベルの物が作れるようになる喜びや感動を味わうことが出来たのは、靴のおかげです。ですから、手製靴の技術が細々とした物になって欲しくない。そうならないためにはどうしたらいいのか?考えた結果、広く趣味として広まるのが良いと考えました。

大げさかもしれませんが、手製靴が、文化的にもっと成長するためには、趣味として靴作りを行う、アマチュアが必要なのだと思うのです。

趣味で行う人が多い分野は、その業界がとっても活気があるように思うことがあります。
趣味として取り組むには、靴作りは最高です。趣味で靴作りを行う人の技術が高くなれば、高い技術の職人の技がより分かるようになると思います。高い技術の職人が今以上に評価されるようになれば良いなと思うのです。

きれいごとを言えば、靴への恩返しといえるのかもしれません。

それとは別の理由からも、靴作りの世界が小さくなってしまうのではないかと思うことがあります。
それは、靴作りが閉鎖的に行われているため、みんなに共通の認識がなされていないところです。あそこで習った人はこう言っている。あっちではこう言っている。というふうになると、内々だけではなしをするどんどん小さな集まりになっていってしまい、だんだんと全体的に力の無い世界になってしまう。そんな業界を、異業種ですが見る機会があり、手製靴も似ているところがあるなぁと感じました。

私自身の技術がどの程度なのか、測る基準がないのでわかりませんが、私一人でも全部見せてしまうことで、ある程度のことが、自分だけの技術や知識として隠していたとしても仕方の無い物になれば、少しは風通しが良くなりはしないかなぁと思ったこともYouTubeで全部出している理由の一つです。

ですから、恥ずかしながら失敗も丸出しにしています。そんな失敗がありながらも、「出来上がったものはこういう形になりました」としてお見せする方が大事だと思うのです。

そして最後に、これが本命かもしれませんが、この動画を見て、靴作りを趣味で行う人が増えて、話を出来る人が増えたらいいなと思っています。
先にも書きましたが、もともと靴好きではありません。そのため、ブランドにも興味が無く、自分の知り合いが作っているとか、関わっている所を除き、海外のメーカーについては有名なところも名前くらいしか知りません。
今、靴の好きな人が集まると、私の全く知らない分野についての話題が中心です。
しかし、趣味で靴作りをする人が増えてくればきっと状況は変わるはず!
つまり
趣味で靴作りをする人が増える。

靴好き=出来ている靴が好きから
靴好き=靴を作ることが好きが増える

靴作りの話をする人が増える

私の話し相手が増える

もっともっと色々とあるといえばありますが、これが、YouTubeで作業を公開している理由です。
まだ始めたばかりですが、これからもご覧いただければと思います。それから、ちょっと希望の声があったのですが、ネット上でアドバイスをさせていただく機会も作れたらいいなと思っています。

2018年10月31日 村山孝太郎
靴学校921
このブログは靴と足のプロフェッショナルを育成する学校
921(クツビト)が情報を提供しています。